桐たんすが日本で利用されるようになったのは江戸時代後半~明治時代始め頃です。この時期の日本には西洋文化が取り入れられ、「家具」を使う家庭が増えていきました。西洋文化が日本に来たことで初めて「家具」の文化が誕生したのです。それまでは風呂敷などを使っていて、テーブルなどの家具もなかったのです。家具の文化ができた後、日本作られた桐たんすは「動かせる」ことを目的に作られました。その頃の日本の生活はご飯を食べ、本を読んだり、眠りについたりと一連の流れを1つの部屋で過ごしていました。そのため、ごはんを食べる時には使う、寝るときには片付けるというように風呂敷や箱膳のような持ち運びができるものを作っていたのです。そして、これを目的とし作られたたんすは軽くなくてはなりませんでした。持ち運びを簡単にできるものとして軽い材質の桐が選ばれ、桐たんすが出来上がったのです。今では婚礼たんすとしても利用されており、高級たんすとして多くの人に愛されています。桐たんすは購入後、何十年も利用される方が多いので、桐たんす修理業者も居るほどです。家にある桐たんすの調子が悪い時、捨てたり、放って置いたりせず、一度修理に出してみるのもいいと思います。