桐たんすに使われている桐は、家具に使われる木材の中でも、高級な木材として重用されてきました。桐には家具に適した様々な特徴を持っているのです。きりの特徴の1つに材質の均一性があります。歪みや変形が少ないため、材質の狂いが少なく、長期間に渡っての使用でも形状を崩さないのです。また、非常に軽量であることも特徴の1つです。普通のタンスならば大人二人でも持ち上げることができないサイズでも、桐たんすは簡単に持ち上げることができます。このため、引っ越しや模様替え、リフォームなどの移動時の利便性に優れているといえます。さらに防虫剤などが必要ないほど防虫性が高いのです。桐材にはタンニンが多量に含まれているため害虫を寄せ付けにくいのです。しかし、どうしても心配だという方は無臭性のものを使うことで、タンスや衣服に臭いがつくことを防げます。また、桐は常に呼吸しているため、内部の湿度は一定に保たれています。外気の湿度に反応し膨張と収縮をするため、湿度の高い日には、膨張し外からの湿気を防ぎます。そして、空気が乾燥すると、内部の湿気を発散し収縮するのです。この気密性の高さが、衣服の長期間の保護を可能にするのです。さらに、防火性も高いという特徴があります。桐は他の木に比べ発火点が非常に高く、400℃以上と言われています。実際に火事が起こった家で、桐の箪笥を調べると表面は真っ黒になっていたものの、内部は全く問題ないということがあったそうです。この防火性の高さから、古くは金庫として使われていたこともあるそうです。このようにあらゆる点から衣服を守ってくれる桐たんすは修理も比較的簡単に出来るため、長きに渡って使うことが出来るでしょう。