現代は「結婚の際に嫁入り道具を持たせる」という風習がどれだけ残っているかわかりませんが、昔はタンスや着物を持ってお嫁に行ったと言います。その嫁入り道具の一つであるタンス。材料には「桐」が使われているものが多く、タンス=「桐箪笥」という認識は今でも広く浸透しています。しかし何故「桐」なのでしょうか。日本は国土の60%近くが山地であると言われていますので、桐ばかりでなく、ブナ、タモ、サクラ、ナラ、マツ、ヒノキ等々、タンスに使えそうな木材は沢山あるはずです。実は、数ある木材の中でも「桐」が選ばれてきたのにはそれなりの理由があったのです。今回は「桐」の最大の特徴である「透水性」についてのお話です。「桐」は透水性が低いので水を透過させにくい木材です。しかしながら、「桐」の表面には細かい気孔があり、湿気があれば水分を吸い込み、逆に乾燥するようであれば内部の水分を吐き出すという特性があります。つまり湿気は通さないけれど、適度に湿気を吸ったり吐いたりしてくれるので、タンス内部の衣料品が常に安定した環境を保ち、カビが生えたり、乾燥し過ぎたりするのを防ぐことが出来るのです。衣料品は繊維で出来ていますから、湿度や乾燥には大変敏感です。ですからそんな「桐」の特徴を上手く活かしてタンスに「桐」が使われているのです。もしお家に「桐箪笥」があるという方は、本サイト「桐たんす修理110番」を利用して末永く使い続けて頂きたいと思います。