「タンス」と言ってもいろいろな種類のものが販売されていますが、日本では古くから『桐箪笥』という言葉があるように、箪笥の素材には「桐」が多く使われていました。では何故「桐」なのでしょうか。それは桐の特徴にあるようです。まずは桐の「抗菌効果」。桐にはノミやダニなどの害虫が嫌う、セサミンやパウロニンという成分が含まれているため抗菌性に優れていると言われています。次に「保湿・防湿効果」。桐は多孔質材と言ってミクロで見ると沢山の気孔があります。この気孔があることで、外気に水分が多ければ湿気を吸い込み、また乾燥していれば中の湿気を吐き出します。この桐が行なう呼吸によって、適度な湿度を保つことが出来、収納している衣類の状態を長く維持することが可能になります。また桐は腐り難く、その上着火点温度が高いため燃え難い材料です。そのため言うなれば「衣類の金庫」として、長い期間利用するが出来るのです。更に桐箪笥のメリットは「再生利用が可能なこと」です。桐箪笥は古くなったり汚れたりした時は、表面を削ることによって再度新品のように生まれ変われることが出来ます。こうした沢山のメリットがあるからこそ、昔から『桐箪笥』が使われ続けてきたのですね。家の中に古い桐箪笥はありませんか?時には修理をして、これからも長く使っていきたいものです。