桐たんすは昔から「嫁入り道具」の一つとして、伝統的に使われ続けているタンスです。今でこそいろんな素材のタンスが販売されていますが、その中でも桐たんすが選ばれるのは、桐たんすが持つ機能的特徴にあるのかもしれません。桐たんすの素材である「桐」は気泡の多い木材で、湿気が多ければ水分を吸収し、乾燥すれば水分を放出するという「呼吸」をしてくれる材料です。従って、たんす内の湿度を適度に保つことが出来るので、収納している着物なども長くいい状態を保つことが可能になります。また桐の中には害虫を寄せつけにくい成分が含まれているので、防虫効果もあるようです。更に、木材である桐ですが、木材の中でも最も熱伝導が低いものの一つで、実際に火事で表面が燃えても内部は燃えずに残った事例もあるくらい、防火性能にも優れていると言えます。これほど高機能な桐たんすですが、新たに購入される数は残念ながらあまり伸びていません。しかしこの日本の伝統的な工芸品は海外で少しずつ人気を博しており、外国人の購入者がじわじわと増えているようです。私たちは今一度桐たんすの素晴らしさを認識してもいいのかもしれませんね。家で壊れたままの桐たんすがあれば、是非修理して使ってみましょう。